もじばけおなう

個人的なメモ

若者世代の投票率が1%下がると年間13万5000円損してるらしい

こんなお話が盛り上がってるご様子(ネット上で)

http://irorio.jp/yangping/20130715/68974/

なんかこじつけ感を感じてしまったのでソースをみてきた。
↓これ
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20130712_01.pdf


13万5千円という数字は以下2つの観点から緻密な計算のもと編み出した式で導いた額の合計らしい。

1. 若年世代の投票率の低下とともに将来の負担の国債発行額の増加
2. 若年世代の投票率低下で社会保障給付の世代間格差

ちなみに前者がおよそ7万5,300円、後者が5万9,800円あまりとのこと。


まずは 世代別投票率と国債発行との関係 から読んでみる。

(1)世代別投票率と国債発行との関係
20 歳から 49 歳世代の国政選挙における投票率は、昭和 42(1967)年では 74.9%と高かっ
たが、直近の平成24(2012)年では、49.1%と大きく低下している。これに対して、高齢世代
の投票率はほぼ7割前後で変わっていない。その間、毎年の国債新規発行額は増加の一途を
たどっている。
そこで、本分析では毎回の選挙結果で若年世代の投票率が低下していることで、税よりも
将来の若者の負担となる国債が発行され、財源調達にゆがみが出ていることを検証した。こ
こでは、若年世代の投票率、高齢世代の投票率、各年の 1 人あたりの国内総生産を使って、
若年世代1人あたりの国債の新規発行額を説明できる方程式を求めた 。
その結果、

若年1人当たり新規国債発行額=-7534217×若年世代投票率+9730914×高齢世代投票率
-139547002×1人当たり国内総生産-1349768.129

の方程式が推計され、他の条件が変わらなければ、若年世代の投票率が1%低下(-0.01)
することで、その若年世代の将来の負担となる国債は若年世代1人あたりで年間およそ
75,300円(=-7534217×- 0.01)新たに発行されることになる。

他の条件が変わらなければと書いてあるけど、本当に何も変わっていないんだろうか。


次に 世代別投票率と国債発行との関係 を。

(2)世代別投票率と社会保障支出の配分の関係
次に、政府の社会保障支出の対象が投票率の低い若年世代に恩恵のある児童・家族向け
よりも、投票率の高い高齢世代向けに偏るのかを調べるため、A:若年世代 1 人当り児童・
家族関係福祉給付とB:高齢世代1人当り高齢者関係福祉給付の差(A-B)を説明できる
方程式を若年・高齢各世代の投票率、1人あたりの国内総生産のデータを使って求めた。
その結果、

1人当りの社会保障給付の差(若年世代-高齢世代)
=5978190×若年世代投票率-8100560×高齢世代投票率
-50502888×1人当たり国内総生産+1938347

という方程式が得られた。
この結果によれば、若年世代の投票率が 1%低下(-0.01)することで、高齢者に比べ若
年者への社会保障給付は年間およそ59,800円減少(=5978190×-0.01)することになる。

そもそも投票率以前に少子高齢化っていう問題があるわけで、
これ本当に投票率をもとに正確な金額が計算できるの?って思ってしまうの。

ちょっと古いけどこういう記事がございます。

現在のわが国の社会保障給付費の構造は高齢者重点型となっているが、1975(昭和50)年時点では、全体の3分の1を占めているにすぎなかった。その後、高齢化の進展による高齢者人口の増大とともに、年金給付の改善、老人保健制度の導入、介護サービスの充実等、高齢者向けの社会保障制度の充実とあいまって、高齢者関係給付費が増大していったものである。一方、児童・家族関係給付費は、1975年時点では5.6%と、割合からみると現在のシェアよりも大きかったのである。
 年金受給者の増大、老人医療費や介護給付費の増大で高齢者関係給付費が増大するのはやむを得ないとしても、ヨーロッパ諸国の社会保障給付の対象者別構成割合を見ても、日本の場合には高齢者給付に偏っているということができる。今後の少子化の進展状況をみると、少子化の流れを変えるためにも、大きな比重を占めている高齢者関係給付を見直し、これを支える若い世代や将来世代の負担増を抑えるとともに、少子化社会対策に関する施策を充実させる必要があると考えられる。

ソース: http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2004/html-h/html/g1332030.html


なにが言いたいかって?


みんな選挙にいこうね!